星と人と文明と


地球の古代の人は、地上の動きと天体の動きとのつながりを知り、それを踏まえた生活を心がけていました。暦とはそのための指針あるいは基準となる大切なものでした。 

しかし今では、星の動きと人の生活とが連動するなどと考えるのは占星術くらいのもので、現代の知的な人の多くはそれを科学的でなく迷信的だと考えています。

しかし、ここで最も身近な例を考えてみましょう。そもそも人は、なぜ、朝起きて、夜眠るのでしょうか?なぜ24時間ごとのリズムで人は生きているのでしょうか?

自然にそうなっている?そうです。そうとしか言いようがありません。ただ、よく考えてみると、“朝”と“夜”は、地球と太陽という“天体“の動きによって生まれることを私たちはすでに知っています。

ですので、人間の生活が星の動きに連動すると信じられない人は、この「人がなぜ朝起きて夜眠るのか?」ということを、あらためて深く考えてみるといいのです。

人間の活動と睡眠という基本的なサイクルは、間違いなく、地球と太陽という最も身近な星の動きと連動しており、それ以外の原因は見当たりません。

これは、地上の動きと天体の動きがつながっていることの紛れもない証拠ではないですか?

「だから巷の様々な星占いを信じよ」というのがここで言いたい事柄ではありません。それよりも大事なことは、「私たち人間は自分一人の力で生きているのではない。大きな宇宙の運行の中で星々とともに互いにつながりながら生きているのだ」ということを、現代の人があらためて思い出すことです。

「人は自分一人で生きているのではない」という言葉は、人と人のつながりや助け合いの大切さを教える言葉としてみなさんもよく耳にしますね。
ただここでは、それよりいっそう視野を広げ、人はみな宇宙の中でその一部として存在し星とともに生きているのだということに思いを馳せてほしいのです。いや、それだけでなく、人はみな自分の意思を超えた何か大きな全体的な力のもとで生かされているのだという事実に、あらためて目を向けて頂きたいのです。

なぜなら、このことを深く理解すれば、人が狭い自我やエゴ的な考えに従って生きるのではなく、大きな自然の摂理に身を委ねて生きることの意味がわかってくるからです。自分と宇宙は一つであり、そこに何らの差もないのであるということにも気づいていけるでしょう。

こうしたことがわかれば、宇宙は永遠に活動を続けているのですから、自分というものの本質も永遠の存在であることがわかってきます。そしてその理解は、あなたのもっている諸々の不安の根源をきれいに拭い去ってくれることでしょう。

「人は星とともに生きている」ということを思い出すことは、未来への不安を抱えた現代の人々に深い癒しと励ましを与えてくれるでしょう。また、それと同時に科学の面においても、これからの時代に必要な新たな視野と知見をもたらしてくれることでしょう。

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