人間の本性にとって最も避けたい状況は
「何も変化がなくてつまらない状況」ではなかろうか
苦しみや悲しみは、それ自体は避けたいものだ
しかし
時が経ち状況が変化して
それらを乗り越えることができたあかつきには
その深さに見合った満足感が得られ
味わい深いドラマとして
振り返ることができるようになる
反対に
一切の経験がもたらされない
変化のない状況だけは
どうにも救いようがない
それはいわば
時間が停止し一切の現象を欠く
永遠の「死の世界」
その意味では
「変化」こそが存在や生命の特徴であり
本質であるのだろう
人間に好奇心が備わっており
また宇宙が生々流転を続けて止むことがないことも
なんとなくこの辺りから
その理由がわかってこようというものだ