科学的根拠とは?

メディアなどでよく「科学的根拠」と呼ばれているものを見ていると、どうやらその本質は、誰かの手による何らかの統計結果を指しているようです。

そこで、科学的根拠=統計結果に基づく結論の根拠の実質は、①目に見て確認されたこと、②多数事例(再現性)があることだといえるでしょう。しかし、それが万全というわけでは、もちろんないはずです。

ここで不足しているのは、(1)「目に見える範囲」の限界の認識と、(2)少数の例外の存在への注目・分析です。この2つを追究していけば、これまでの理解を超える新たな視野が必ず広がってくるはずです。

(1)についていえば、「目に見える範囲」の世界は五官の知覚能力による制約を受けています。紫外線赤外線や超音波など、目耳に感じる周波数または振動数の範囲は、全体のごく一部にすぎず、世界は目に見えない電磁波に満ちあふれています。

(2) についていえば、多数の事例から帰納によって法則を見出す手法というのは、本来、例外の発見によって根底から打ち崩されてしまうものです。もし少数の例外を無視して良いとするならば、その判断はあくまで人間の主観に基づくものであり、その時点ですでに客観性は崩れています。

しかしながら、巷(ちまた)の報道や評論家には、このような科学の限界性についての認識は微塵も見られず、その言葉は科学者と呼ばれる人の見解をそのまま受け売りしているものが極めて多く見られます。

何が真実であり何が単なる仮説であるのか、本物の科学者なら区別ができているはずです。しかし、メディアを通じて結論の伝聞だけを聞かされる一般大衆は決してそうではありません。「科学的根拠がある」の一言だけで、容易にそれが絶対的な真実であると信じてしまうのです。

ヴェリタスビジョンが氷解塾の場で溶かしていきたい社会的な「思い込み」(思考の制約)は、このようなところにも存在しています。

関連記事

  1. 論理と言葉、そして人間の認識力

  2. 問いが間違っているとき

  3. 群盲象を撫でる